観終わって、日を追うごとにジワジワ考えさせられる
79歳の母を持つ身としては、実に身につまされる映画でした。
と、いうより子どものいない自分の将来を見たような、どよーんと考えさせられるリアリティに富んだ映画『PLAN75』でした。
早川千絵監督のこの映画は、少子高齢化が極端に進み若者に負担が増していった日本で、高齢者を襲撃する事件も多発したことも受けて、国会で75歳以上の人は生死を選択できる制度プラン75が可決施行となったことからストーリーが始まるという。
主人公の賠償千恵子さんが、寅さんのころのかわいいサクラではなく、シワもかくさず等身大の78歳を演じ、セリフ一つ一つ家事やパート先での仲間との会話や仕事風景など、ほんとに今日もどこかで見かけそうな自然な動き。
その他の演者の方々も自然な所作にセリフに、物語にぐいぐい引きこんでいきます。
結局めんどう見てくれる子どもがいなくて、低所得者がこの死を選ぶ制度を利用せざる負えないという現実は、今すぐでもありうることですよね。
まだ選べるだけいいかも。
こうなったのも政治の失敗なんだろうけど、高齢者だけじゃなく、映画に出てきたPLAN75に申請したお年寄りと最後の数日会話をする役目のコールセンターや窓口の若者も使い捨て的な扱いのところが切ないのです。
このPLAN75に申請すると、10万円もらえて好きに使っていいっていうサービスがついてくるんですが、10万円って少ない!!
100万円くらいだしたって、どうせ残してもしょうがないから使い切るんだし、かえって経済が活発化するんじゃないですかね。
今政府がタイマイはたいて推し進めてる、マイナンバーカードがしっかりと行き渡れば、日本人の総資産の6割くらいを占めている高齢者の財産を管理できて、無駄に全お年寄りをカバーしないで済むだろうと、社会はブロガーちきりんさんの意見はもっともだと思いました。
三井住友信託銀行の調べによると、認知症の方が持つ資産は、今時点で250兆円で2040年には345兆円にもなるって!!これって、動かないお金でしょー!
まだリアルPLAN75を施行しなくても、なんとか道はあると信じて・・・
しかし、観終わった後は誰かと会話するのも難しくなる孤独な老後が頭に浮かんで、どよーん。
一人で暮らす母を思い浮かべ、人と話すってことが何より心のよりどころなんだとおもい、、もっとやさしくしようと思ったのでした。
で、先日近所の温泉に一緒に行き、とっても喜んでおりました。
ゆるキャン△で後味をよくする戦法
ぜったいPLAN75を観終わったら、どよーんとするとおもってたので、前日公開になった『ゆるキャン△』を続けてみることにしていました。
はーい、アニメの時のテイストそのままに楽しくすっきりと観ることができました。
キャンプ用意や片づけめんどくさいけど、グランピングなら行きたいな。
ゆるキャン△で上書きされるかとおもったけど、PLAN75は死生観をじっくり考えさせられるいい映画でした。
この日以降、モノはもうこの先必要最低元しかいらないんじゃないか、いや、好きなモノに囲まれて生きている間自由に生きるのがいいのではないか、など心の中がいろんな思いでざわついてます。
ではでは