先日、自分の誕生日を機にこれからの人生についてちょっと考えていたころ、たまたま見た『徹子の部屋』に東大名誉教授で社会学者の上野千鶴子さんが出演されていました。
その話しに引き込まれ、作業の手が止まり最後まで見てしまいました。
誰もがいづれ要介護認定を受け、そうするとケアマネージャーさんと繋がり、そこからいままで払いつづけてきた介護保険を使い、あらゆるサービスをうけながらたとえ一人暮らしでも自宅で最後を迎えることができるという。
子どものいない我が家はいづれ二人で、または片方になったら施設に入るなりして最後を迎えるしか方法が無いと漠然とおもっていました。
母だって遅かれ早かれ施設に入って最後を迎えるのだろうと。
でも上野千鶴子さんの話しは違いました。
そんな徹子の部屋を見た話しを母としたら、丁度母も上野千鶴子さんの新刊本『在宅ひとり死のススメ」を読み、「頭が切り替わった!」と晴れ晴れとしているので、借りて読んでみることに。
サブタイトルには、
『慣れ親しんだ自宅で、自分らしい幸せな最期を迎える方法』
読み始めると2時間くらいであっという間に完読。
本には、2000年に始まった介護保険を使いながら今では独居老人でも、たとえ痴呆が入っていても一人自宅で最期を迎えることができる制度が確立しているとありました。
『自費サービスも合わせながら』というのが国が勧めているケースらしいけれど、費用的にも病院が一番高く次に介護施設で、自費サービスを利用しながら最期まで在宅というのが一番コストがかからないっていうから、びっくり!
かかるコストについても詳しくかかれていて、施設には何年生きるかわからないけど月々25万円とか払い続けるお金をためておかないとと思っていたところ、在宅にはそれほどかからないと知り少しホッ。
だって、これって今の自分がする貯金に大きくかかわってくるってことですからね。
本では多くの調査結果や著書を参考に、世間で思われがちな「独居老人=さみしい、みじめ」とは、まわりの人が勝手におもっている印象で、実は子どもなしのおひとり様暮らしは同居に比べて満足度が高く、悩み度は低く、寂しさ率や不安率も低いという調査結果がでたというのです。
そういえば前に母が私たち子供家族といると「大勢の中の孤独」と言っていたのを思いだしました。
本にも『「心配だから一緒に暮らそうよ」という子供からの甘い誘いにのってはいけません』と書いてあります。
その後の子供家族へ合わせた生活や、がまんなど窮屈な生活が待っているそうな・・・
なんかわかるな~
最近じゃ友人とさんざんバカ話しをした最後には決まって老後の話題へ。
「そんなこと考える年になったんだね~」とまた笑ってるけど、今から考えておくのはいいかも。
この本を読み、たとえボケても最後まで自分の意志を優先して生きることができる世の中になっているというのを知り、すごく先が明るい気持ちになりましたね。
今までの『一人で老後を在宅は無理、ましてや痴呆が入ったらもっと無理』というバイアスを取りはらって当たり前の選択肢になるといいし、介護保険システムの拡充を切に願いますね。
2025年以降は『空き家問題』が深刻化してくるし、超高齢化社会になって2040年ごろには多死社会になるらしいから、独居老人の賃貸ハードルもさがるといいな。
なんだかまだリアルに考えるまでには至ってないけど、ほんと私はまさに折り返し地点に立っているんだ。