朝一で映画館へ
映画といえば観た後にあーだこうだといいながらビール飲むのが楽しいのであって、まんえん防止で夜は飲みながら語れないので、土曜日の朝、寝坊せずに8時45分に家をでてTOHOシネマズ日比谷へGO。
エンドロール?あれ?これで終わり?
しずか~に、淡々と・・・
すでに観た人が「今まで観た映画でベスト3に入る映画だ!」とか絶賛していたし、私も理解せねば!と前半のスローテンポに焦りを感じていたときでした。
あれ?これで終わり?
途中突然出演者のクレジットが出てきたときには、頭が混乱。
チョットーッ ひとッつも、おもろくないんですけどー
と、思ったら映画は続きました。意図はわからないけど、演出らしい。
ホッ
映画冒頭シーンから、状況を理解するのに頭フル回転
主人公の家福氏が手掛ける舞台の制作工程になぞってドラマが進むので、舞台オーディションから本読み、立ち稽古などがちょいちょい挟まれ、それが感情を入れずにセリフを棒読みスタイルなもんだから眠くなる・・・
でも中盤からぐいぐいっと引き込まれます。
だんだんと家福氏とともに、自分が時間を一緒に過ごしていく感覚。
最後、無表情で飾りっ気のないドライバーみさきが、なぜそんなキャラかという背景や喪失感を抱えているのかがわかり、主人公と共有しながら二人で癒されていく姿に、しっかり入り込み3時間が飽きずに観終えました。
カンヌに続き、アカデミー賞もとれるのか!
濱口監督の映画『ドライブ・マイ・カー』は、第79回ゴールデングローブ賞で『非英語映画賞』を受賞したのと、第74回カンヌ映画祭で日本映画初の脚本賞や国際映画批評家連盟賞とか4冠。
さらに世界最高峰米アカデミー賞 作品賞など4部門ノミネートしている、話題映画。
その4部門とは、作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞の4部門で、発表は来月27日だそうですね。
日本の映画が最高栄養の作品賞でノミネートされるのは、初の快挙。
スピルバーグがライバルの一人っていうのだから、ほんとにすごいことです。
日本人が監督賞候補になるのは、黒澤明監督の『乱』以来36年ぶりみたいですよ。
前作は飛行機の中で観た『寝ても覚めても』
この濱口監督の映画は、前作になるのかな?『寝ても覚めても』という、共演者がその後不倫で話題になってしまったやつを飛行機の中で観たことがあります。
自然で静かな日常の流れから、ドラマが淡々と進んでなんとなく全体が、ねずみ色したドヨーンとした空気感。
スティーブン・キングの恐怖の四季を思い出した
ドライブマイカーは、村上春樹氏の短編小説『女のいない男たち』が原作だそうですが、よく短編を3時間もする長尺にできたし、さらに中だるみのない内容。
ホラー小説の巨匠スティーブン・キングの小説で、『恐怖の四季』の4編の中の1つ「刑務所のリタ・ヘイワース」が映画『ショーシャンクの空に』になったときのようだなと思いました。
刑務所のリタ・ヘイワースはとっても短い脱獄するまでのお話ながら、2時間飽きさせない原作を守りつつ膨らませた、心に残る映画でした。
このお話は、スタンドバイミーなど含めたシリーズになってる小説中の一つで、
刑務所のリタ・ヘイワース(春は希望の泉)
ゴールデンボーイ(転落の夏)
スタンド・バイ・ミー(秋の目覚め)
マンハッタンの奇譚クラブ(冬の物語)
の4編からできています。
映画の後はビール片手に語らうのが決まり
帰りは、夫とお決まりの一杯やりながら映画の感想をいいあうのですが、いつも以上に二人の感じるところが違いました。
登場人物のその後についても、想像が相当違いましたね。
絶対的な答えがなく、それぞれが考える余地と余韻を残すところが村上春樹氏と濱口監督の腕なんでしょうね~
一歩間違えると寝ちゃいそう。
今回西島秀俊さんが主人公っていうのが、私的にはよかった。
ついこのあいだ2回もみた、『きのう何食べた?』でゲイのシロさんが、今度は妻がなぜ自分以外の男たちを相手にしていくのかということに苦悩する男を演じる。
心情を巧みに演じていてスバラシイ!!
違う人みたいではなく、全部西島さん色なんだけど
ごっちゃにならないんですよね。
名俳優。
ではでは