洋裁学校に10年以上通い、その間仲間とファッションショーを開催したり、30代は袋物を作ってギャラリーやデザインフェスタにも長年出店するなど精力的に袋物作家として活動していました。
今も知り合いのお店からの発注で年間100枚ほど袋物を作っては卸しています。
洋裁学校の仲間の中では、一番縫製技能は低かったとおもうけど、未だにミシン使っているのは私ともう一人くらい。
カバン業界に入った時も甥っ子から「とうとうかばん屋さんになったの?」と当時5歳くらいの子どもに言われるほど。
そんな感じで、しょっちゅうミシンに向かっていた私ですが
うすうす気が付いていたのです・・・
そう、私はミシンで縫うのが好きってわけじゃないということを・・・
「もう縫うの面倒だ~ 誰か縫ってくれないかな~」なんて思っていたくらい。
好きなのはデザインを考えることと、生地を選んでいる時。
けど、なぜだかここ最近考えるのです。
「好きな仕事と、得意な仕事とは違う」と。
ふとそう思ったきっかけは、先日依頼のモノを縫っていたらミシンが突然壊れ、地元のミシン修理店に電話すると日曜日でお店がお休みにもかかわらず修理してくれるというので急いで夫に手伝ってもらい自転車の後ろにミシン載せて押して運び込みました。
やりかけの依頼モノがあるというと1時間ちょっとで修理してくれるという。
仕上がりを近所のカフェで待ち、それをまた自転車の後ろに載せて帰り続きを縫う。
そんな騒動の中で、白の糸の巻を使い切ったのです。
この時ふと、「この糸は3000mもある糸。3㎞!!」
それを今まで何個使い切ってきたのか。
そう思ったら、「好きな仕事と、得意な仕事とは違う」っていう言葉がやけに腹落ちしたのです。
依頼が来続けるのも、そう誰にでもないことだし、ありがたい。
縫製の仕事は趣味や内職のポジションで、ちょっとミシン好きなら誰でも出来るっていうイメージがあるようだけど、求められるような形を作り、そのお店が商品として売るクオリティといったら誰でもできることではないのだから、依頼がくるのはありがたい限り。
昔洋裁学校で「同じものを100個作れるのがプロ」と言われましたが、今気づけばそれを何百個も作ってる。
やり続けてきた技術生かして、また作家活動をスタートさせてみようと思い立ち、粛々と作家活動続けていた友人誘ってホームページ作ることにしてみました。
今後も何㎞分も縫い続けることになることかな。