ドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』中村哲医師という人物のすごさを知った

たまたま新聞の映画予告蘭で見つけた映画。

主人公は2019年にアフガニスタンで凶弾に倒れた医師、中村哲氏の35年にわたる人道支援の軌跡を映像化したドキュメンタリー。

生前ちょいちょい新聞に記事があるのはフワっと読んだり読まなかったり程度でした。

今回何故か映画紹介記事を読んで“観たい!知っておきたい!”とおもい、多くの会社員の人たちがお盆休みに入る前日の8月10日の平日に東中野にある『ポレポレ東中野』へ観に行ってきました。

この日に行こうと思ったきっかけは、監督の谷津賢二監督のトークショーがあると書いてあったからです。

でもまだこの時点では、少し軽い気持ち。

初めていくポレポレ東中野は地下にあり、チケットやパンフレットや飲み物を同じカウンターで手売りしているという、懐かしくレトロ感満載の小さな小さな映画館。

落ち着く~

始まる3分前くらいに到着した私は大汗かきながらチケットカウンターに並んだけど、まだ飲み物買う人や、席を別のところへ替えてほしいと交渉している人などのんびり感。

スタッフが「まもなく上映ですー」と言いながらも、最後の並んだ人の対応終わるまで待っててくれるみたい。

本編は監督が24年前にアフガニスタンとパキスタンにまたがる山脈に出向いて診察する『巡回診療』へ密着取材を開始してから、亡くなるまでに記録した21年間の膨大な映像を編集したものだそうです。

現地への医療活動を支援する国際NGO団体ペシャワール会(PMS)の活動なども挟み、中村医師の医療現場の現実、大干ばつで貧困にあえぐ人々を助けるため独学で水路づくりなど、一人の外国人がここまで援助の届かない場所に入り込み支援をしてきたということに驚きの連続映像。

スケールがすごすぎ。

砂漠化した台地が森林になるビフォー・アフターの画は圧巻でした。60万人以上の命がこの作物で生きながらえるという。

上空にはアメリカ軍のヘリが飛び、その下の台地では中村医師とアフガン人が力を合わせて水路を作る。

日本に残す家族に起こる悲劇も抱えながら、命を懸けた水路づくりや日本での資金集めなど、人ひと人の一生とは思えない偉業を凶弾に倒れるその日までやっていたことに、なんということばで表せばいいのかわからない。

映画は静かなモーツアルトのピアノ曲が流れていましたが、中村医師がモーツアルト好きでいつも聞いていたそうで、劇中のピアノは娘さんが弾いていたそう。

映像でみる過酷さとのコントラストが心にしみました。

まだ映画は上映中です。

今お隣パキスタンが国土の1/3が洪水で被害にあっているというニュース。また貧困が進んでしまうのか。

自分は何ができるんだろう。